いつもブログをご覧いただきましてありがとうございます。Nigel Cabourn伊勢丹新宿店の佐野です。今回は最高にお勧めのジャケットを紹介して行きたいと思います。生地自体のタフさ、そして幅広いシーンをカバーできる堅守、サッカーイタリア代表のカテナチオの様なアイテムです。
【Dark Navy】
【Black】
NEW TENZING JACKET-HEMP WOOL/ニューテンジンジャケット-ヘンプウール
Item No.80430080001
今季のテーマでもある『KATHMANDU SHERPAS』のテーマにど真ん中のエドモンド・ヒラリーとエベレスト人類初登頂を果たした、チベット人シェルパのテンジン･ノルゲイが着用していたジャケットから着想を得た本アイテムのデザイン。個人的にテンジン・ノルゲイの好きなところは、エベレスト登頂日を自身の誕生日にしているところ。
ファブリックは《HEMP WOOL》です。いわゆる《BEANS SACK》と呼ばれる、コーヒー豆の保存用などで使用される麻袋のような生地です。特徴としては、通気性がよく水分の吸収性に優れている為、余分な熱は蒸散していき必要な熱は保温して残してくれる天然素材であるところ。繊維的にコシがあり太い繊維の為、弾力性・柔軟性はあまりなく最初の着用感はきつい様に感じるかも知れませんが、裏を返せば型崩れがしにくくタフに使用できる頑丈さがあるということが利点だと思います。しかも加工時に使用した水も環境汚染に繋がる事無く土に返す事が出来るので、現在の『Sustainability』という考え方にも寄り添った環境に優しい素材です。
ディティールとしては、テンジン・ノルゲイが着用していたジャケットと同様に４つボタン仕様。しかしちょっと異なるのが第一ボタンが段帰りになっているところです。段返りにすることでラペルの開く位置を下げ、やや強張った印象からタウンユースで取り入れやすいよう工夫されています。
第一ボタンのボタンホールにはオリジナルのリボンボタンを配置。少し可愛い印象になるのでご自信のお持ちのブロードアローの物に替えてもらうとより雰囲気が出るかもしれません。もちろんラペルにはフックを配置しており名残とはいえ急に気温がさがったり突風が吹いた際も首元までガッチリ守ってくれます。
ショルダーとエルボー部分にはMALLORY JACKETと同様に当て布がされています。文中でも書いたとおり弾力性・柔軟性があまりない性質を補助する為に肩から肩甲骨上部と肘にコットンナイロンの生地を使用。(当時はリュックサックやロープを担ぐ際の擦り切れ防止のため当て布をしていました)仕事でリュックやショルダーを使われている方も多いと思いますが、そんなシーンでも簡単には劣化しないタフさもございます。
そして、袖口です。こちらは前職でスーツを取り扱っていた身としてはお馴染みの本切羽仕様(袖口が開閉できる仕様)。２０世紀以前スーツの中に着るシャツはあくまでも下着という考え方で、如何なる時もジャケットを人前で脱ぐことは出来なかったので何か作業をする際に腕まくりが出来るようにと考えられたのが由来です。実は医者のスーツに多かった為、英語では「surgeon’s cuff（外科医の袖口）」と呼ぶとか呼ばないとか。一つだけボタンを開けてこなれ感を出したり、作業または彼女や奥様の重たい荷物を持つ際に腕まくりしてたくましさを強調したりと使い方は千差万別、是非ご自身の本切羽の使い方を見つけてみてください！！
私は代々木上原あたりのちょっと小洒落たご飯屋さんへ夜な夜な出かけるようなイメージでスタイリングしました。宜しければ参考にしてみてください。
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佐野
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